自動車保険の人身傷害保険は対人賠償と対物賠償の次に付けておきたい補償です。
これを付けておくと万一の事故の際に解決がスムーズに行きますのでおすすめです。
では、詳しい内容を見ていきましょう。
自動車保険の人身傷害保険とは
これは事故に遭った際、自分の車に乗っている人のケガなどを補償するものです。
主なものとしては
- ケガの治療費
- 休業補償
- その他の実費
- 死亡・後遺障害
などです。これらの実費が支払われます。
命の値段と逸失利益
死亡や後遺障害の実費って何?と思われるかもしれません。
これは俗に言われることですが「命の値段」というものがあります。
いろいろな計算方法があるのでここでは割愛しますが、慰謝料や逸失利益と呼ばれるものです。
逸失利益というのは、その人が健康なままで仕事を続けたなら稼げたであろう収入や利益のことです。
例えば、35歳の方が事故で亡くなられた場合、その方が60歳の定年を迎えるまでに稼げたであろう金額を算出します。
亡くなられた場合はもちろんですが、後遺障害が残ってしまって、以前のような仕事につけなくなった場合などにも適用されます。
これは年齢や年収、家族構成などによっても変わります。
また、重度の後遺障害が残ってしまった場合、仕事をできない分の逸失利益も発生するのですが、その人自身の介護費用や生活費も必要になってきますので、亡くなられた場合よりも高い金額が算出されることが多いです。
休業補償
他にも、それほど重症でなかったとしても、手や足を怪我しただけでもできない仕事ってありますよね。
例えば、お寿司屋さんは指を怪我しただけでも仕事ができないこともあります。
大工さんなどの職人さんでも同様ですよね。
そんな仕事ができなかった期間の補償が休業補償です。
人身傷害保険に加入していればこれらが補償されます。
人身傷害保険と対人賠償
ここまで読んでみて、「相手がある事故の場合なら、相手が補償してくれるんじゃないの?」と思われるかもしれません。
これは、そうとも言えますし、そうでもないとも言えます。
確かに相手が100%悪い事故でこちらに過失がない場合、相手から100%支払ってもらうことができます。
例えば上記の例で100万円の治療費がかかったとします。しかし、例えば過失割合(責任割合)が、こちらが30%で相手が70%だった場合、その割合でしか支払ってもらえません。
相手の過失割合が70%なので相手から支払ってもらえるのは70万円になります。
残りの30%分の30万円は自分の責任なので自分で支払わなければなりません。
でも、そんな時に残りの30%の治療費を払ってくれるのが、あなたが加入している自動車保険で付けている人身傷害保険です。
過失割合が決まる前に支払ってもらえるのがメリット
実は、万一事故が起こった場合、事故の相手との示談交渉中で過失割合が決まらないと自動車保険からは治療費などは支払われません。
でも、人身傷害保険を付けておくと保険会社が先行して治療費などを支払ってくれます。
これが一番のメリットかもしれません。
実際の事故を想定すると、治療費や過失割合が確定するのは数カ月後や半年後といった長期間に渡る可能性があります。
大きな事故ほど長期間になる傾向にあります。
治療費や過失割合が確定するまで保険から一切の保険金が支払われないとなると、とても不自由することが想像できますよね。
自動車保険の人身傷害保険は付けておくことで、こんな不安を感じる必要がなくなります。
また、人身傷害保険を車に搭乗している場合のみに適用する特約に入っている人がが多いんですね。
でも、補償される範囲を広げることができるんですよ。
自分の車以外に乗っているときや自転車に乗っていて車に接触してケガをしたなど、いわゆる交通事故全般に補償を広げることができます。
これは保険会社ごとに補償される範囲が違うところなので、「交通事故全般で体の補償をして欲しい」ということであれば保険会社または代理店担当者へ確認してみてください。
実際に事故が起こってみないと、ケガの補償の範囲なんて考えませんよね。
でも、人身傷害は絶対に付けておいた方が良い特約なので付けておきましょうね。
以上が自動車保険の人身傷害保険についての解説です。