2012年10月の自動車保険の等級制度改定で保険業界はもちろん、契約者に対しても激震が走りました。

 

1年間に事故で保険を使った人と使わなかった人とで、等級が同じであっても割引率が20%前後違うという厳しいものです。

 

【参考記事】

自動車保険の等級制度が厳しくなりました

 

損害率の悪化が等級制度改定の原因

 

これの元々の原因としては、保険会社の損害率の悪化が一番の理由です。

事故のあった人となかった人との不公平を完全するという大義名分はあるのですが、大きなものは損害率だと考えています。
「保険会社も一企業なのだから赤字になったら倒産してしかり」という厳しい見方もあるのですが、保険会社が 倒産してしまっては皆が困ることになります。

そんなことにならないように、今回の改定がありました。

 

自動車保険の損害率が悪化した原因

 

損害率が悪化した原因としては

自動車保険 侵害率

  • 高齢運転者の増加
  • ハイブリッド車を始めとした修理代の高額化
  • 若年層の車離れ
  • 不景気により保険を使う人が増えた

などが挙げられます。

 

高齢者は特に事故が多いというデータがあります。

 

また、若年者層は事故率も高いのですが、保険料が恐ろしく高いので保険会社としては保険料を稼げる世代です ね。

 

制度改正されたことで損害率が改善

 

一部の保険会社代理店さんから聞いたのですが、この改定後、1年~2年を過ぎた段階で保険会社の損害率がか なり改善されたとのことです。

 

近年、毎年のように上がっていた自動車保険の保険料ですが、これにより徐々に落ち着くと思われます。

 

高齢運転者が増えて若い人が車に乗らなくなっている現状を考えると、安くなっていくというのは考えにくいの ですが、上がり続けるよりはずっとマシですよね。

 

これで落ち着いてくれれば一安心です。
自動車保険の損害率が改善した保険会社の名前は伏せておきますが、

 

  • 長期契約を引き受けていない
  • ノンフリート契約の割合が多い

 

このような保険会社が真っ先に改善しているようです。

 

長期契約とは3年契約などのことで、この場合だと3年間は以前の保険料率と等級制度を引き継いでいます。
契約者にとっては嬉しいのですが、保険会社としては苦しいところですね。

 

それに対して1年契約しか引き受けていない保険会社なら、1年経つと新しい制度になっていくので、早く制度改定の効果が出てくるのは当然でしょう。
また、今回の改定はノンフリート等級だけが対象になっているので、大手損保会社のように大きな企業の「フリート契約」の比率が多い保険会社は効果が軽減されてしまいますね。

 

多くの保険会社が助かった

 

自動車保険の損害率の悪化は、近年の保険会社の悩みのタネでした。

 

ほとんどの損保会社は自動車保険が全体の契約の半分以上を占めていいますから当然です。

 

そこが経営を圧迫していたのですから、改善されたのは大きいでしょう。

 

「助かった」と思っているところが殆どではないでしょうか。

 

契約者にとっては負担は大きくなりますが、自分が加入している会社が破綻しては保険も機能しません。

 

私達、車を運転する側も自動車保険の保険料が高くならないように、日頃から安全運転に務めるというドライバーとしての当然の責任を果たしたいものですね。